世界一危険地帯、レッドゾーンのその実体とは。(前編)

レッドゾーンに行く。僕が世界一周を始めた理由である。

そして実際に2020年12月16日。僕はそのレッドゾーンの一国である南スーダンへと降り立った。

そこに至るまで多少の苦労があったのだが、それに関しては前の記事を読んで欲しい。

さて、南スーダンがどんな国かについてである。

ただ、まず第一にレッドゾーン、外務省禁止渡航区域といってもよくわからない。そもそもどんくらい危険なの?っていう人も結構いると思う。

だからまずは外務省渡航禁止区域について説明しようと思う。

レッドゾーンに行く。僕が世界一周を始めた理由である。

そして実際に2020年12月16日。僕はそのレッドゾーンの一国である南スーダンへと降り立った。

そこに至るまで多少の苦労があったのだが、それに関しては前の記事を読んで欲しい。

さて、南スーダンがどんな国かについてである。

ただ、まず第一にレッドゾーン、外務省禁止渡航区域といってもよくわからない。そもそもどんくらい危険なの?っていう人も結構いると思う。

外務省の海外安全ホームページには南スーダンについてこうある。

”現在も、各地で武装集団による押し込み強盗、車両襲撃、家畜強奪のほか、部族間・部族内問題による武力衝突が日々発生しています。また、東エクアトリア州からジュバへ向かう幹線道路では、武装集団による車両襲撃が多発しており、金品を強奪した上に、乗車している者を殺害する事案も発生しています。最近では、中央エクアトリア州で、政府軍と反政府軍との間で武力衝突が頻繁に発生するなど、依然として厳しい治安情勢が続いています。

つきましては、ジュバ市及びその周辺を除く南スーダン各地への渡航・滞在を予定している方は、どのような目的であれ、渡航は止めてください。また、既に滞在中の方は、直ちに国外等安全な地域へ退避してください。"

このような地帯をレベル4レッドゾーンを呼び、それが外務省渡航禁止区域と呼ばれている。

厳密には禁止されているわけではなく、あくまで外務省は行かないでくださいというお願いしかできないらしいから、行こうと思えばそれでもいけてしまう。

 

そんな国であるから、行く前に僕がガクガク身を震わせ、死ぬかもしれないという死の恐怖に覚えていたこともわかってもらえるだろう。

じゃあ実際行ってみてどんな国だったかというと、平和そのものだった。

 

 

南スーダンを説明するポイントとしては二つある。観光スポットの皆無さと、人のよさ。である。

まず前提として、そもそも南スーダンは最近できた国で、最近までスーダンと独立をかけて争っていた。そのため、事実としてさっき引用した外務省の出来事はあった。しかし、少なくとも首都ジュバでは、今現在は少し落ち着いてきているようで、平和そのものであった。

が、まだそもそもあまり知られている国ではないこと、最近できた出来立てほやほやの国で、名物やら何やらが全く育っていないことから、見るところが皆無である。よって、来る人間もビジネスマンばかり。ホテルで観光をしにきたとフロントの人にいうと、一体何をみにきたんだと笑われたくらいであった。

それでもなんとかみるものはないかと頼んでみたところ、ナイル川と市場を紹介されたため、行ってみた。市場はいくつか存在していたし、大抵は普通の市場だったのだが、一つ目新しい市場があった。地下にあったのだ。その地下で、野菜だけが大量に売られている。歩いても歩いても野菜が立ち並ぶその様は壮観ではあった。が、みる価値があるかと言われればわからない。ナイル川自体はどこでみても変わらないナイル川である。

 

そんな観光スポットが全くない南スーダンであるが、人がめちゃめちゃいい。もうほんとに優しいのだ。まず陽気である。ホテルで観光しにきたから観光スポットを教えてくれと頼んだら、観光スポットなんてないよと笑いながらも、一生懸命見たら楽しい場所を考えてくれ、それでも思いつかなかったようで、上司に相談もしてくれた。気がつけば、フロントマン全員で僕のために考えてくれていた。

交通手段が南スーダンは小さなバスか、ボダボダ(バイクタクシー)であり、自分の行きたい場所へ行くバスを尋ねて探していると、騙されて別の場所に連れて行かれることもあるから気をつけろと忠告をしてくれたお兄さんもいた。

道がわからないと聞いてくれたら案内してくれ、その上そのまま待っていてくれ、おすすめのご飯屋さんまで教えてくれて、そこまでも連れて行ってくれた。

南スーダン独特の食べ物があり、それをどう食べるかわからずに困っていると、それをみた横に座っていたお兄さんがこうやって食べるんだよと優しく教えてくれた。

本当にそんな親切心溢れた国だった。

 

しかし、最後に、なんでエチオピアの真下にあるような国なのに、ここまで違うのか。気になったので考えてみた。僕は、それが観光客が一人も来ていないからだと思う。

エジプト、エチオピアは完全な観光国家である。そこに住んでいる人は我々観光客が現地の人と比べて金を持っていることを知っているし、金を落としていくことを知っている。そのため、少しでも我々から金を取ろうとしてくる。値段をぼるのは日常茶飯事。何かすれば金をくれと言われ、チャイナチャイナと呼び止められ、詐欺にあったりもする。

しかし、南スーダンは観光客が全くといっていいほど来ない。そのため、我々が、というか僕が金を持っているということを知らないのだ。だから滅多に来ない余所者が現れた場合、自分の国を訪れてくれた人間に優しくしよう。そして好きになってもらって帰ろうという、人間本来の、無垢な優しさが発揮されたのではないか。

そう考えると、観光で自国を発展させるということはいいことばかりではないのかもしれないと思った。